技能ビザとは、日本の機関との契約に基づいて行う産業上の特殊な分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する活動が該当します。「熟練した技能を要する業務」とは、個人が自己の経験の集積により有する事となった熟練の域にある技能を必要とすることを意味し、この点で特別な技能や判断などを必要としない機械的な作業である単純労働とは異なります。
技能ビザに該当する職種
技能ビザに該当する職種はすべて法律で列挙されているため、以下の職業に該当しない場合には技能ビザには当てはまりません。
@調理師 A建築技術者 B外国特有製品の製造・修理 C宝石・貴金属・毛皮加工 D動物の調教
E石油・地熱等掘削調査 F航空機操縦士 Gスポーツ指導者 Hワイン鑑定等
調理師
技能ビザで最も利用頻度が多いのが調理士で、料理の調理または食品の製造に係る技能で外国において考案され日本において特殊なものを要する業務に従瑞するものが該当します。原則として10年以上の実務経験が必要ですが、タイ料理人の場合には日本とタイのEPAの規定を受けるため、5年以上の実務経験でよいとされることがあります。
Q
私は中華料理店を経営しています。この度、本場の調理師を招聘したいと思います。
中国から調理師を招聘する場合に留意する点を教えてください。
A
中華料理店における調理師を招聘するには「技能」の在留資格該当性を満たさなければなりません。
出入国管理及び難民認定法別表1の2の表に掲げられた「技能」の在留資格該当性は「本邦の公私の機関との契約に基づいて行う産業上の特殊な分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する活動」とされています。
在留資格該当性にある「熟練した技能を要する業務に従事する」とは、長年の経験によって修得することのできる熟練技であり、短期間で容易になし得る単純労働とは区別されます。また、「我が国の産業上特殊な分野に属する」とは、外国に特有な産業であり、我が国の産業界では養成・育成が困難な分野を指すと考えられます。
そこで、上陸許可基準では、当該技能にかかる実務経験年数を10年以上(外国の教育機関において、当該料理の調理又は食品の製造にかかる科目を専攻した期間を含みます。)、給与等の待遇を日本人と同等以上と定めています。
以上のことから、申請人(調理師)と招聘者(日本側の企業等)に求められる要件(条件)は、10年以上の経験を有し、しっかりした調理技術を持った中華料理の調理師を招聘すること、そして、本格的な中華料理を安定的にかつ継続的に提供する事業者が招聘すること、この2点に集約されるのです。